秋の台北グルメ旅!【2日目】大粒ワンタン/台湾総統府/中正紀念堂/永康街/九份・水湳洞/台湾式居酒屋

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2日目の朝がやってきました。日ごろは寝坊してばかりの私ですが、旅行中はなぜだか早起きできてしまうから不思議です。今日も朝から張り切ってグルメを満喫します!



朝食はジューシーで超大粒なワンタンのスープ!


餃子や小龍包、肉まんなど、“包む系”グルメは台湾っ子のソウルフードです。そこで本日の朝ごはんに選んだのは、大粒ワンタン。地元の人に愛されるワンタンを求めて下調べを行い、ホテルからもほど近い「阿婆温州大饂飩」へ行くことに決定しました。

こちらは1995年から個人で営んでおられる小さなお店。実はこのお隣も有名なワンタンのお店です。口コミサイトの写真が美味しそうだったので阿婆~へ入ることにしました。

同じ通りには朝から営業している飲食店が何軒も並んでおり、あたりを見回しても観光客らしき人はなし。地元の人たちで賑わっていました。


このあとのグルメスケジュールも考え、私は肉ワンタンスープを、相方は肉と野菜のワンタン麺をオーダーしました。スープは驚くほどあっさり。しかしながら、お肉にはしっかりと味付けがされていて、ジューシーな肉汁が口のなかにあふれ出します。

なるほどスープがあっさりしていることによって、ワンタンの肉の旨みが際立っているわけですね。スープに海苔が入ることで、磯の香りもふんわり。麺がないと物足りないかと思いましたが、朝ごはんには充分な量でした。


台湾総統府から中正紀念堂へ

これから中正紀念堂へ向かいます。せっかくなので、台湾の政治の中心地を見学しながら徒歩で向かうことにしました。


実は今回の台湾旅行、偶然にも中国と台湾のトップ会談がおこなわれた直後でした。デモなんかが少々心配だったのですが、この日は到って平常どおり。台湾総統府では中の見学も受け付けていましたし、周辺には中国から来ているとみられる観光客も多数。記念撮影をするなどして穏やかな雰囲気でした。


台湾の政治の中心地「総統府」内部を見学してきました
100年の歴史を誇る西洋×和風の迎賓館「台北(たいほく)賓館」



ケタガラン大通りを東へ進むと、2008年に建立された「白色テロ政治受難者記念碑」が見えてきました。

日本の敗戦後、台湾では中華民国による独裁的な恐怖政治に支配されていました。この記念碑は、そのときに亡くなった数多くの罪なき人々に対する追悼の意、そして一人ひとりの人権と民主主義政治を守っていくことを誓ったものだといいます。




中正紀念堂に到着です。あまり時間がないので、毎正時に行われている衛兵の交代式だけ見学します。


4階へ。すでに沢山のギャラリーで埋め尽くされていました。規律の整った行進、きびきびとした動き、何度見ても圧巻です。



台湾グルメ激戦区の永康街で刀削麺を

時間は午前10時。お目当てだった刀削麺のお店がオープンするまでにはまだ30分もあります。たいていこのあたりの飲食店は、10時半~11時ごろに開店する店がほとんどのようです。

開店を待つあいだ、ナチュラルせっけん「阿原」の永康街店におじゃましました。店内に入るなり、ハーブの優しい香りにふわ~っと包まれます。このごろ“洗顔しない美容”にはまっているので、今回は肌を清潔に保つ効果があるというヨモギせっけんをボディ用に購入しました。


開店と同時に入店し、お待ちかねの刀削麺とご対面!名前のとおり、ナイフで削られたような断面で、一見すると日本の“ほうとう”にも似ています。

その作り方といったら斬新で、小麦粉と水を練った“麺のもと”になる塊を、専用の包丁で削りながら沸騰した鍋に直接投入し、ゆであげます。表面はツルッとしていて、食感はモチモチ。今回私たちが注文した、とろみのある酸辣湯麺&ジャージャー麺は、刀削麺の“絡まる”特徴がよく生かされていました。

台北市・永康街周辺をぶらり歩き ~グルメ・カフェ・個性派雑貨を求めて~


郊外スポット人気ナンバー1の九份と、水湳洞~南雅エリア


つづいては、台鉄に乗って瑞芳駅へ。そこからバスに乗り、九份という街へやってきました。台北郊外の観光地においては人気ナンバーワンですので、すでにご存知の方も多いかと思います。

台湾鉄道で行く日帰り小旅行!目玉はやっぱり駅弁?

九份派出所前でバスを降り、細く長く、急勾配な階段をのぼっていきます。ガイドブックや旅ブログなどでは、雰囲気ある写真が掲載されているのをよく目にします。しかしそこへたどり着くまでには結構な苦労が伴うことを、行ってのぼった人だけは知っているのです……。



写真は昔の映画館です。悲情城市もここで上映されていたのだそうです。当時の撮影風景を再現したコーナーは、まるで昭和時代にタイムスリップしたかのような懐かしいかおりがしました。


九份へ来てからというもの、天気はずっと曇り空。この様子だと、美しいサンセットはおあずけです。基山街を歩く途中「山海観」というカフェレストランに入り、今にも雨が降りそうな空を眺めながら、台湾ビールをいただきました。

時間はまだ14時すぎです。赤ちょうちんの電飾が灯りだす17時まではまだまだ時間があります。台湾初体験の相方がふと、たまたま瑞芳駅でもらっておいたパンフレットを広げました。

「よし、水湳洞とか、南雅っていうところへ行ってみよう」

瑞芳区北部に位置する水湳洞~南雅エリアの見どころはおもに二つあります。ひとつは日本時代の産業遺産、もうひとつは美しい自然景観です。九份・金瓜石・水湳はまとめて“九金水”と呼ばれています。“水”へいけば、私は3箇所をコンプリートです。

ひとつひとつの見どころスポットが離れているため、ここはタクシーを使うことにしました。正式な黄色いタクシーにはきちんと周遊コースが用意されていました。水湳エリアを観光する小1時間のコースは、1組につき1000元の安心・明朗会計です。



見渡す限りの緑に囲まれ、山道をくねくねと曲がりながら北へ進みます。しばらくすると、海が見えてきました。上の写真は、ベストショットが撮影できる景観台からのものです。

「天気がよかったらずっと遠くまで見渡せるんだけどなぁ・・・・・・」

気さくでサービス精神あふれるガイド兼任の運転手さんも、さすがの天気には勝てず残念そうです。

「ほら、写真を撮ってあげるから、そこに立って並んで!」





上の写真は、日本時代に建設された「十三層遺跡」という、かつては製錬所だった建物です。名前のとおり、13層に連なる巨大な工場でした。長いあいだ放置されているため、草木が生い茂り、荒廃がかなり進んでいます。繁栄と衰退をひと目で感じ取ることができる、歴史的価値のある産業遺産です。



海岸沿いをひたすら走り、ついに南雅までやってきました。断崖から見下ろす無数の岩は、侵食や大波によって不思議な形に変形しています。上の写真の岩石、どことなくソフトクリームの形に似ていると思いませんか……?

しま模様のような、マーブル模様のような、特徴的な色合いもまた見ものです。手触りもサラッとしていて、砂浜を固めたようでした。


実のところ、今回の台湾旅行で行って良かった観光地ナンバーワンがここ、水湳洞~南雅エリアです。よって、後日別の記事で詳しくこのスポットをご紹介しようと思います!


セブンイレブン前でタクシーを停めてもらい、ガイドを務めてくださった運転手さんに別れを告げました。基山街の散策が途中だったので、東側から戻るように進みます。

ここもまた、非常に道幅がせまいのですが…さきほどの階段しかり、現代の私たちにとって都合の良いように整備されすぎていると、かえってつまらない景観になってしまうんだと思います。狭いからこそ、雑然としているからこそ、当時にタイムスリップしたような気分にさせてくれるのでしょう。



雨が降ってきました。幸い基山街の商店には屋根がついているところが多いので、傘を差さずに歩くことができました。ここは土産物やさんや飲食店が立ち並ぶ通りです。以前来た際に食べた、魚丸湯(魚のつみれ団子スープ)が美味しかったのを覚えています。

甘いもの好きな相方の目に留まったのは、アイスクレープやさんでした。薄い生地に、小さめのアイス二つとピーナッツの粉末のようなものを巻いたスイーツです。本当はここにパクチーも入れるのだとか。甘いおやつにパクチーは合うのでしょうか……。

クルクルッと巻いたあと、半分に切って渡されました。アイスとピーナッツの相性はバツグンなんですね。

小腹をほどよく満たしたところで、そろそろもと来た階段のほうへ戻ります。電飾が灯りはじめる時間です。


空がまだ少し明るいせいか、点灯しているのは7割~8割といったところです。人の込み具合はピークに達しつつあります。

この街の雰囲気を表すときに、「ノスタルジック」という言葉がしばしば使われます。ノスタルジックとは、遠い昔や故郷を懐かしく思う、といった意味です。日本人が異国の地で郷愁を感じるとはなかなか稀なことで、電車やバスを乗り継いででも旅のプランに加えたくなる気持ちはよくわかります。

九金水エリアの歴史をもう少し掘り下げてみたとき、つまりここが日本からの巨大な資本投入によってゴールドラッシュ時代を迎え、のちに衰退するまでの歩みを知ったとき、もっと感慨深く散策できるのではないかと思います。



台湾式居酒屋で夜の宴

台北駅に戻ると、雨はすっかり止んでいました。立ち並ぶ高層ビルや派手なネオン看板が、九份で見た景色とのギャップを感じさせます。タイムとラベルから帰ってきたような気分です。

今宵台湾グルメを求めて向かう先は、台北駅と中山駅の中間地点に位置する、台湾式の海鮮居酒屋「鮮定味」です。2年ぶりにやってきました。


この店の目玉は、活きた魚介類や新鮮な魚を店先の水槽から選び、すぐに調理してもらえるところです。この日選んだ活ハマグリの塩焼きは、身が柔らかくてプリプリ!5個で250元というお手ごろ価格も嬉しいポイントです。



毎度のことながら、メニューが多くて目移りしてしまいます。ビールに良く合う炒め物や揚げ物が中心で、海鮮居酒屋ですが牛肉や羊肉などの料理も。1皿はおおよそ100元~150元、2~3人前といったところです。なるべく大人数で来たほうが、沢山の品数を食べられます。この日はマーボー豆腐や青菜炒め、牡蠣のフライなど、2人で7皿が限界でした。

今宵はビールで乾杯!にぎやかで開放的な台湾式居酒屋『鮮定味』


お腹が満たされた私たちは、近くの日本人が経営するバーで焼酎をいただき、23時ごろホテルに帰ってきました。明日は淡水~天母球場~士林夜市という日程になっています。お天気だけが気がかりです。




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