洋館と閩南式建築を併せ持つ模範街。日本の大正時代を思わせる独特な雰囲気。 |
中国大陸からもほど近い台湾の離島、金門島へ行ってきました!秋の金門島は絶好の旅行シーズン。ひとまず歴史や文化のお話はまた別の記事でじっくり書くとして、今日はここ金門島の有名なグルメや定番のみやげ物を一挙にご紹介したいと思います!
商店と古跡が入り混じる金城の繁華街
ド派手な寺院の周囲に飾られた赤提灯。 |
1日の仕事を終えた兵隊さんも、街でお買い物。 |
国定古跡に指定されている「清金門鎮総兵署」。明かりが灯る夜の雰囲気は最高。 |
金門島で一番にぎやかな場所といえばここ、金城周辺です。商店や屋台が所狭しと並んでいるかと思えば、お寺や国定古跡など風情ある建物も。老舗も多く、ローカルな雰囲気で溢れていますが、早朝から多くの人でにぎわう金門島の中心街となっています。
ここでしか味わえない絶品グルメはオールドストリートで
建設から200年。その存在感は未だ衰えていない。 |
金門島を紹介する日本語のガイドブックはそう多くないため、今回は台湾本島で購入したものを片手に、有名店をまわりました。
写真は夕方6時ごろの様子です。小吃屋台や食堂がズラーっと並び、まるで夜市のような雰囲気に。とくに多くの客で賑わっていたのは、牡蠣オムレツや牡蠣麺線のお店です。そう、金門といえば牡蠣!小粒ですが新鮮でプリッとした食感がたまりません。
【寿記広東粥】
金門縣金城鎮莒光路一段50號
電話:082-327-878
営業時間: 7:00~12:30
【蚵嗲之家】
金門縣金城鎮莒光路一段59號
電話:082-322-210
営業時間: 14:30~19:00
【巧味香小吃】
金門縣金城鎮莒光路一段39-41號
電話:082-327-652
営業時間: 7:00~19:00
「このあたりでめちゃくちゃ美味しいお店といったらどこですか?」と地元の方々にたずねると、必ずといって良いほど出てくるのが、写真にある「榕榕園牛肉麵」の紅焼牛肉麺(80元)です。
おそらく、私が今まで台湾でいただいた牛肉麺の中で一番やわらかいのではないかと思います。これはまた食べたい!
【榕榕園牛肉麵】
金門縣金城鎮民生路5巷1號(金城バスステーション向かい)
電話:082-311688
営業時間: 11:30~14:00、17:00~20:00
その他のメニュー:牛肉麺線、サンラー麺、手作り餃子etc...
本島とはひと味違った食&雑貨みやげは要チェック
(写真は中興路)
島の守り神、「風獅爺(シーサー)」のグッズはバリエーションが豊富。街のいたるところで実物を見ることができるので、可愛い!と思ったシーサーと同じデザインのアイテムをゲットするのも良いですね。軍人さんのキュートなイラストが描かれた缶詰菓子も、かつて戦地であった金門ならでは。
先ほどもチラッとご紹介しましたが、金門島グルメといえばそうめんのように細い「麺線」も有名です。本島のものよりもツルッとのどごしが良く、現地でいただけるのはもちろん、お土産用もたくさん販売されています。専門店へ足を運ぶと、ながーい麺を吊るして干す様子を(タイミングが良ければ)見ることができます。
【金門大方鬍鬚伯麵線】(地図C地点)
金門縣金城鎮環島北路59-1號
電話:(082)311-651
生産される農産物も本島とは多少異なります。とくに多く生産されているのが「高梁」というイネ科の植物。酒を中心に麺類やスイーツなど、金門産のあらゆる食べ物に高梁が使われています。高梁酒は本島のスーパーでも購入することができますが、金門の専門店であれば数多くの種類から選ぶことができるため、人気のお土産のひとつとなっているのです。
また、この島の気候を生かした特産物として、「一條根」という植物があります。この一條根で作られたお茶や湿布、マッサージクリームなどは、古くから伝わる薬代わりの健康アイテムなんです。商店でも売られていますが、体の不調が気になる方はぜひ専門店で試してみてください。
甘いものといったら「貢糖」という落花生でできた飴がお勧めです。パック詰めがほとんどですが、バラで売っている店もあります。落花生そのものもよく売られていますし、ナッツ類や豆類などのおつまみ系も豊富です。
農業・漁業だけでなく畜産業もさかんなこの島では、メイドイン金門の「肉乾」(ジャーキーのようなもの)もよく目にします。味の種類がいくつかあるので、ぜひ試食を。高梁酒との相性も良さそうです。
そしてなんといってもビックリなのが、「砲弾で作った包丁」です。これは、かつて内戦中に中国側から打ち落とされた砲弾を材料にしているのだとか。その数は5万発以上だともいわれているため、しばらく材料不足に陥る心配はなさそうです……。店の脇を見ると、生々しい砲弾がまるでオブジェのように飾られていました。
莒光路の小さな商店でたまたま発見したのがこちら、超アナログな天秤です。使い方はいたって単純。針の先に量りたいものを引っ掛け、反対側の錘(おもり)を、棒が水平になるところまで手繰り寄せます。きちんと水平になったら、錘の位置にあるメモリを確認する、というしくみです。
昔は肉や魚などを量り売りするために欠かせないものだったのだとか。もちろん今どき天秤を使って重さを量る人はいませんが、とても貴重なものを目にすることができて感激でした!
朝市めぐりで金門的あさごはんをただく
別の日には、民宿のオーナーに連れられて朝市を見に行きました。さきほどご紹介した「邱良功母節孝坊」という大きな門の周辺は、夜はグルメ街、朝は市場とその様子がガラリと変わります。
観光客の多い昼間から夜にかけての雰囲気とは一転、路上に所狭しと並んだ生鮮品を手に入れようと、地元の人たちが方々から訪れます。胃にやさしそうな朝ごはんのお店も大忙しの様子。朝早くから活気であふれています。
上の写真ひだりが台湾本島産、右が金門産だそうですが、私にはその違いが全くもってわかりません……。
黄色いおなかをした白身魚、その名も「黄魚」は現地でフライをいただきました。クセがなく、タラのようなホクホクした柔らかい身で、日本人の口にも合いやすい淡白なお味です。こんな風に超新鮮な魚介類が毎日手に入るなんて、海鮮好きな私としてはなんとも羨ましく思います。
ちなみに精肉は週に2回しか販売していないそうです。「毎日売っていたらこの島の牛がいなくなっちゃう!」とのこと。
金門みやげのところでご紹介した「一條根」の原型がこちらです。文字通り、根っこの部分が使われているのですね。今ではきちんと加工されたお茶や薬が販売されていますが、昔ながらの製法を知っている人なら家庭で手作りしてしまうそうです。
すごく美味しいお粥だから!と民宿のオーナーに勧められて朝ごはんの店へやってきました。看板メニューの広東粥は、薄味に見えますが出汁の風味がしっかり。猪血(豚の血を固めたもの)や猪肝(豚レバー)にお野菜など具材がたっぷり入って栄養満点!だんだんと気温が下がりはじめる秋の朝食に、アツアツのお粥はぴったりでした。
オーナーのもうひとつのお勧めが、「油條」という細長い揚げパンのようなものです。本島で何度かいただいたことはあるものの、硬くて食べづらく、じつはそれほど好きになれなかったんです。この日はせっかく勧めていただいたので、ためしに食べてみることにしました。
ひと口ほおばると、その違いがすぐにわかります。今まで食べていたもののようなバリバリ感がなく、外側はサクッと、中はしっとり柔らかいのです。20センチほどの油條1本がなかなかのボリューム。お粥や麺線のスープに浸していただくのもまた美味でした。
豆乳ができあがる様子を目の前で見ることができる。 |
市場を歩いていると、なにやら白い液体を濾している大きな鍋を発見しました。実はこれ、豆乳(中国語は豆漿)なんです。できたての豆乳、いただきました!民宿のオーナーによると、「本島で売られている多くの豆乳は水で薄めてあるけど、ここのものは濾しただけだから濃厚でとっても美味しいのよ」とのこと。よけいなものを一切入れず、豆乳本来の風味が味わえるのはなかなか貴重でした。
時間に限りがありじっくり散策することはできませんでしたが、目で見て楽しみ、おなかも満たされ、このあとの観光も元気いっぱいで望むことができました。金門島に対して、怖い・暗いといったイメージを持っている人も、このにぎやかな街を一周すればあっという間にその考えが払拭されるはず。旅の参考になれば幸いです。