天候が不安定な中、車を走らせやってきたのは新城郷にある「新城天主堂」です。どうしてここが花蓮の観光サイトにも掲載されるほど有名なのかというと、実はここ、同じ敷地内に異教が交わる不思議な場所なのです。これは世界でも珍しいことなのではないかと思います。
鳥居には“天主教会”の文字が。 |
石灯籠(いしどうろう)も当時のまま。向こう側には十字架が見える。 |
明治29年(1896年)、ひとりの日本兵が地元タイヤル族の女性に暴行したことが発端となり、日本軍と地元住民との間で激しい衝突が起こったいわゆる「新城事件」。この事件で亡くなった日本兵23名の追悼記念として1937年に建てられたのが新城神社です。
のちにスイス人宣教師によって教会が建設されてからも、鳥居や狛犬、手洗舎、石碑など、日本人が残していったものが一部そのまま保存されています。
ノアの方舟をイメージした教会は、新緑の季節に訪れたせいもあって、美しい緑が壁を覆い尽くしていました。あいだから見えるカラフルな窓も素敵です。日治時代が終わったのちのの1956年に建てられました。
マリア像が建てられているこの場所は、かつて本堂が置かれていました。うしろに見える壮大な景色とも相まって、厳かな雰囲気を醸し出しています。
ここを見学する際は、大きな声をだして騒いだり走り回ったりしないこと、貴重な古物も多く、触って壊したりすることのないように注意してください。自然に囲まれ、静かで空気もきれい。花蓮の観光ルートのひとつとしておすすめの場所です。
【新城天主堂】
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(地図A地点)