月に1回の限定で公開されている「台北(たいほく)賓館」へやってきました。日本と台湾に関わりの深い場所はいくつもありますが、この台北賓館もそのうちのひとつなんです。
台北賓館の歴史
日本統治時代の1899年に日本人によって建築されたこの建物は、当時「台湾総督官邸」と名づけられ、行政を執り行ったり国賓を迎える場所として利用されてきました。日本からは1923年に、のちの昭和天皇となる裕仁皇太子も訪れています。日本による統治が終わって以降、現在の「台北賓館」に名称が変わりました。引き続き国外からの来客を招待してきたほか、国際条約を締結する場所でもあるなど、重要な施設として利用され、1998年には国定古跡に指定されています。一般公開が始まったのは2006年からです。
明治維新後に入ってきた西洋建築の影響を受けバロック式で建てられた館内は、迎賓館にふさわしい高貴な雰囲気を醸し出しています。
これは1952年に行われた、日華平和条約の調印式を再現した5人の銅像です(2009年完成)。今にも動き出しそうなほどリアルに作られています。
外へ出ると西洋の雰囲気から一転、日本庭園が広がっています。その中に建てられた日本式の平屋が「台北賓館別館」です。実際に総督の生活拠点となっていたのはこちらだといわれています。畳に布団を敷いて寝るほうが日本人の性に合っていたのでしょう。本館と比べるとかなり年季が入っているようにも見受けられました。
年内に観覧できる日は、10月12日、11月2日、12月7日(いずれも土曜日)の3回のみです。これは、すぐ近くにある総統府の全館開放日と同じ日程になっています。台北駅・西門町駅までは徒歩かタクシーでもすぐなので、ショッピングやグルメ探索の合間にちょっと足を運んでみてはいかがでしょうか。
台湾の政治の中心地「総統府」内部を見学してきました
【台北(たいほく)賓館】
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(台北賓館はA地点)