海の景色が美しい花蓮の2大スポット「南濱公園・七星潭」

花蓮:見る・歩く

t f B! P L
ここ花蓮に来たら見に行かない人はいないというぐらい美しい海の景色。今日は花蓮駅からのアクセスが良い2つの海岸エリアをご紹介したいと思います。


南濱公園


南濱公園

ほとんど雲のない快晴のこの日、やってきたのは「南濱公園」です。花蓮に来てから天候に恵まれない日が続いていましたが、この日は澄んだ空気のおかげで遠くのほうまで景色を見渡すことができました。約1kmにわたる海岸沿い、その途中にある公園をゆっくりと散歩しながら、日の入りを待ちます。

歴史を少しご紹介しておくと、このあたり一帯の地域は、花蓮の開拓が最初に始まった場所です。主に国外からの貨物を集散する港として利用され、学校や銀行、政府機関の設置など、ここを中心に商業の街として栄えました。

最盛期は日治時代に建設された台東線の、運営センターが置かれていた時期。88年に花蓮駅が現在の場所へ移転するまでは東部一のにぎやかなエリアだといわれていたそうです。





波打ち際には、大きな石がゴロゴロと置かれています。強い波の影響で、長い年月をかけて海岸を少しずつ浸食していたことから、それを防ぐためにあえて岩のようなゴツゴツした石を敷き詰めているのだそうです。少しでも近くから海を眺めようと、みな裸足で慎重に石から石へと渡り歩きます。




菩薩観音像

奥へ進んでいくと、巨大な菩薩観音像がまるで花蓮市を見守っているかのようにその存在感を示しています。

地元の方のお話によると、この観音像が建てられた当時は海の方向を向いていたそうです。その後この地域では悪い出来事が立て続けに起こっており、「観音様がそっぽを向いているからじゃないのか?」といわれはじめました。そこで180度向きを変えてみたところ、みごとに悪いことが起こらなくなったのだそうです。





いよいよ日の入りの時間になったかというころ、遠くにあった雲が次第にこちらへ近づき、せっかくの夕日をほとんど遮断してしまいました。とはいっても、雲のあいだから後光のように差すひかりもまた美しく、沈みきるまでずっと眺めていました。




七星潭


七星潭

また別の日にやってきたのは、古くは定置漁業でさかえた小さな漁村だったという「七星潭」です。三日月型にカーブした海岸が特徴的で、海は青く透き通り、遠くにはうっすらと清水断崖が見えます。


ここ七星潭は、日治時代に建設された花蓮空港の東側に位置し、時おり飛行機が頭上の間近を飛んでいきます。静かな波音に耳を傾けていると突如聞こえてくる、人工的で大きな飛行音には、少々違和感を感じました。

そんな空港のあるエリアも含め、七星湾近郊で暮らしていた人は自分たちのことを「七星潭人」と呼んでいたことから、そのまま名前がつけられたそうです。




七星潭

風が強く、波の状態も少々荒々しい日でした。海底がかなり深いので、夏場の天気が良好な日であっても海水浴はしないのだとか。そのぶん、サイクリングコースや休憩スペース、文化施設などが設けられ、さまざまな楽しみ方ができるよう工夫されています。





海外沿いには珍しい模様の入った石をたくさん目にすることができます。足ツボマッサージ代わりに裸足で歩いたり、拾って海に放り投げ、海面で何回はじくか競いあったり。またある人は「真っ黒で平たい石をカッサ*1のようにして使うんだ!」と言って探していたりして、みなそれぞれ思いおもいに楽しんでいる様子。

私も、「石はむやみに持ち帰っちゃいけない」という祖父の教えに背き、気に入ったものをいくつか厳選して日本へ持ち帰りました。

*1カッサ・・・皮膚の表面を強くこすって血流をよくするマッサージ道具



海に囲まれた台湾ですが、これほど美しい景色が見られるのは花蓮だからこそ。あまり予定を決めずにふらっと立ち寄ってみるのがおすすめです。



【南濱公園・七星潭】


(A)七星潭海浜公園
北埔駅下車後、徒歩かタクシーで。七星潭風景区|交通部観光局

(B)南濱公園
花蓮駅下車後、中山路を東に進み、南濱路を右折。タクシーで約10分。



より大きな地図で 南濱公園・七星潭 を表示

《参考》
七星潭風景區,南濱公園(花蓮資訊觀光網)



QooQ