Photo:小日子|黑糖風扇豆花。 / mr.5/4™
前回の台湾ステイから帰国して、その1ヵ月後に耳にした毒でんぷん事件。
グルメをひとつの売りにしている台湾にとっては、国民の信用を失うのみならず、海外観光客の足をも遠のかせてしまうかもしれない、大きな問題となっています。
- 台湾揺るがす「毒でんぷん」 グルメ観光に打撃懸念(日本経済新聞)
- 台湾、“毒入りでんぷん”処分へ 再燃する食の不安(フォーカス台湾)
発端となったのは、有名な台湾料理やスイーツによく使用されている“でんぷん”でした。体に溜まると有毒だとされている、マレイン酸入りのでんぷんが使われていたのです。日本ではすでに台湾からのでんぷんの輸入をストップしています。
その後、プリンに使われている材料や偽りの有機米など、でんぷん以外の食品の危険性も次々に指摘され始めました。もう何を食べたら良いのかわからない状態です。
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一般的に食べ過ぎは良くないといわれている食べ物は沢山あります。ファストフードやインスタントカップめんなどがそうです。ただ中には、多少体に悪いことは分かっていても、美味しいから食べるし、我慢したくないという人もいます。
それはそれで、本人がある程度事実を知った上で選択することなので、まわりがとやかく否定することはできません。ただ、偽装や隠蔽となると、体に悪いものを避けたい人たちの目を欺くことになるわけですから黙ってはいられないのが当然でしょう。
以前日本でも同じような問題がありました。食品偽装や怠慢な衛生管理、はたまた放射能汚染の問題などです。
そういったことをきっかけに、自分たちが口にするものは、みずから正しい知識を得て選択することが大事なのだと、多くの消費者が気づき始めています。
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私は日本人という部外者の立場ではあるのですが、「もう、膿を出し切っってしまえば良いのでは?」と今回の問題に対して思っています。
お金儲けのためにズルをする人はどこにでもいます。悲しいですが、仕方ないことでもあると思うんです。
ですので、もうとことん膿を出し切って、今後はズルができないような、そういった体制を整えていく必要があります。国内だけでなく、海外からの信用をも失いかけている今、根本的な解決をしていくしかありません。今回の問題が、ある意味良いきっかけになったのではないかと思います。
そして同じく消費者にとっても、食に対する意識を変える良いタイミングです。自分たちが口にしている食べ物にはどんなものが使われていて、それが体にどんな作用をもたらすのか。多くのひとが食の安全に関心を向けることで、業者の不正を防ぐことにもなりえると思うのです。
度々台湾へ訪れている私ですが、今のままの食品事情では、正直なところ安心していただくことができません。日本人を含め、これからも多くの観光客や留学生たちが台湾へ訪れることでしょう。ですので、一刻も早く汚名を返上し、美味しくて安心して食べられる、正真正銘のグルメ大国になってくれることを期待しています。