淡水といえば、清仏戦争で戦いの地になった場所でもあります。悲劇を経験したこの地で平和を願うために建設された「和平公園」にやってきました。
裏手にはゴルフ場が、すぐそばには国定古跡でもある「滬尾砲台」(リンクはブログ内記事)なんかがあったりする場所です。緑ゆたかで、天気の良い日に来るととても気持ちが良く、散歩やジョギングする人、家族連れもよく見かけます。
仏様が合掌する「平和の手」という像や記念碑などもここに設置されているので、広い公園内ですが歩いて探してみてください。
「一滴水記念館」に到着。一見すると日本時代の古跡のようですが、ここはちょっと違います。これは日本人小説家の水上勉さん(1919-2004)が生前に暮らしていた福井県おおい町の自宅を“移築”したものなんです。大工だった水上さんの父がもともと建てた家で、日台の交流の拠点にと、多くのボランティアらの支援によって2010年に淡水へ移されました。
奥では水上さんの作品や生前の経歴も展示されていました。また同時に、神戸に生まれのちに台北から日本に国籍を移した、同じく小説家である陳舜臣さんの文庫も設置されています。
*毎週土日、10:00~、14:00~ガイドサービスがあります。
日本語版パンフレット(PDF)|特定非営利法人まち・コミュニケーション
「一滴水記念館」が移築されたのは、阪神大震災と台湾中部大地震の被災者交流がきっかけだったといいます。公園内にある資料館では、2011年に起きた東日本大震災の被災者による、台湾へのお礼の手紙と、地元の民芸品が展示されていました。
「台湾の皆様から生きる力を与えていただきました」
「一日も早く元の生活に戻り、敬愛する台湾に行ってみたいと思います」
手紙には、義援金を受け取ったことの報告、被災地まで足を運び支援活動をしてくれたことへのお礼などが綴られています。
被災された方から台湾に直接お礼をされていたとは初耳でしたし、こうしてたくさんの人の目に触れられるところで公開されていることを知ってなんとなく安心しました。
日台友好を結び、平和の象徴でもある場所。またゆっくり散歩でもしながら訪れたいと思います。
【和平公園】
日本語版パンフレット(PDF)|特定非営利法人まち・コミュニケーション
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