ただ、台湾の可愛い動物たちといったら猫だけではありません。今回私は、台湾で放浪する犬たちにスポットを当ててみました。
放浪する犬たち
放浪するうちにほかの犬と繁殖し、その数はどんどん増え、野生化してしまっている犬たちもいます。
こういった犬たちの多くは、日本でいう保健所のような機関に連れて行かれ、12日間で引取り手が見つからなければ“処分”されてしまうのです。
そんな行為は許しがたい!と集まった有志たちで立ち上げた、動物保護団体がいくつかありました。虐待を受けていたり、捨てられて放浪している動物たちを一時的に保護し、海外も含めた新たな飼い主を探す活動をしています。
そうはいっても、野生化してしまっているような犬たちも全て保護することはなかなか難しいのが現状です。
予防注射も受けず外で放浪していると、あらぬ病気にかかり、それが人間にも感染してしまう恐れがあります。
こうしたことも含めて、台湾では今、ペットを飼うことへの意識が問われているのです。
台湾で放浪犬と遭遇したときに気をつけること
上の写真の撮影場所は、淡水の対岸にある八里のサイクリングコース。写真のような真っ黒な犬は「台湾犬」と呼ばれているそうです。人間には見向きもせず、犬たちだけで独自にコミュニティをつくってくつろいでいます。
動物好きな方ならなおさらですが、こうして犬たちを見ていると、思わず近寄って触ったりエサをあげたくなってしまうものです。ですがさきほどもお伝えしたように、なにか病気に感染しているかもしれません。突然噛み付いてくることだってあるかもしれません。
実際ここ最近、台湾各地では狂犬病の発症が相次いで確認されています。今感染がわかっているのは、山奥に住むイタチアナグマなんかがほとんどだそうですが、このさき犬や猫に飛び火する可能性もあるとのこと。ですから、どれほど可愛いと思っても、遠めから見るにとどめるべきなのです。
誤って触ってしまった場合はよく手を洗うこと、野良に限らず動物に噛み付かれるなどして怪我をした場合は、自分の判断で治療せずに必ず病院の診察を受けるよう注意喚起が出されています。
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私も愛犬を2匹飼っているので、放浪している犬たちを目の当たりにすると心苦しい思いでいっぱいです。人間と動物との共存がいかに難しいかを改めて思い知らされます。