決して友達が多いほうではありませんが、全くいないわけでもありません。過去には友人と海外旅行に出かけたこともあります。それはそれで、とても良い思い出です。
ただ、ひとりはひとりで、また別の楽しみ方があります。それは、誰かと一緒では決して味わうことのできない、一人旅の醍醐味なのです。
開放感
知っている人が誰もいない国へ行くというのは、人によってはものすごく苦痛なことなのかもしれません。とくに女性なら、それがたとえ国内であったとしても、イヤだという人は多いでしょう。
ただ考えてみると、自分が知っている人はいないかもしれませんが、同じように自分のことを知っている人も誰ひとりいません。こんな状況、楽しまなくては損じゃないですか。
私は毎回、桃園空港に到着したその瞬間に、体に巻きついた糸がほどけるような、なんともいえない清々しい気持ちになります。そこでの自分は、社会の一員だとか、一家の長女だとか、そういった役割を一切担わない、ただの外国人旅行者なのです。
最高に自由な時間
孤独=自由と思えるようになると、とたんに一人旅が楽しくなります。たとえば食事の時間。自分の好きなタイミングで好きな店へ行き、ちょこっと食べてまた次の店へハシゴしたり。今日は歩き疲れたしビールでも飲みたいなーと思えば、アルコールを置いている店にフラッと入ってみたり。
話し相手がほしくなったら、周りにいる人に話しかけてみます。外国人に対してフレンドリーな台湾人は多く、話し掛けてみると案外気さくに接してくれたりします。
明日のことは明日決めてもいいし、ビールを飲みながらぼーっと考えてもいい。何をするでもなく、河川沿いのベンチで小吃を食べながら、ひたすら海を眺めていたことだってあります。
とにかく自分の好きなときに好きなことだけしてれば良いんです。現地のルールやマナーを守りさえすれば、何をしたっていい。同行者に気を使ってあわせる必要がないのはとても気楽で、心底癒されます。
どんどん知り合いが増える
台湾へ行くたびに知り合いが増えています。これは先ほどもお話ししたように、多くの台湾人が外国人に対して好奇心を持っていて、フレンドリーに接してくれるおかげです。それにどれほど一人旅が楽しいとはいえ、全く寂しくないかと聞かれれば、正直そうともいえません。
にんげん、孤独になれば繋がりを欲するもの。話しかけてもらうのを待つばかりでなく、こちらからも勇気を出して話しかけてみたりしています。といいますか、一人が寂しければそうせざるを得ないですし、そんな状況もひっくるめて楽しんでいるのです。
話が盛り上がれば、メールアドレスを交換したり、Skypeで友達登録をしたりして連絡を取り合います。こうして、訪れるたびに少しずつ知っている人が増えてくると、また次回の旅がワクワクするものです。
こういった人間関係は、ひとりだからこそ生まれたんだと思います。友人を連れてワイワイやっていたのでは、おそらくそれほど話す機会はなかったでしょう。一人で来て良かったと、心から思える瞬間です。
台湾へ一人旅することで、日本での生活にも少なからず変化が起きています。一人の時間をより有意義に過ごせるようになった気がするのです。孤独を楽しむ台湾女一人旅。次回はどんなことが待ち受けているのか、楽しみで仕方ありません。