【台湾ホームステイ体験記】(2)おはようございますも言えない

台湾ホームステイ体験談

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花蓮市の朝












前回の記事でもお話したように、私がホームステイを決めた理由のひとつは語学学習のためです。以前から中国語の勉強をしていて、この時点で日常会話ぐらいはなんとかできるレベルでした。

ですので、当然ながら基本中の基本である挨拶なんてできて当たり前です。にも関わらず、私はこの、朝一発目の「おはようございます」というひとことが、ステイ先のご家族になかなか言えずにいました。


中国語の“おはようございます”はとっても簡単です。「早」もしくは「早安」、無理やりカタカナにするなら、「ザオ・ザオアン」といったところでしょうか。小学生でも一度で覚えられる基本フレーズです。

それなのになぜ私は、この言葉がなかなか口から出てこなかったのか。自分でもよくわかりません。ちなみに日本にいるときであれば、人並みにあいさつはするほうです。特に人見知りというわけでもありません。どちらかというと、皆でワイワイ飲んだりするのが好きな性格です。


おそらく、慣れない環境で本当にひどく緊張していたんだと思います。それともうひとつ、私は今まで、コミュニケーションに対して非常に受身であったんだと痛感しました。

声を掛けてくれるからしゃべる、誘ってもらったから行く、好意的に接してくれるから友人になる。すべて、受身姿勢だったんです。

じゃあステイ先の家族が好意的でなかったのかといったらそうではありません。多くの人が想像するような、陽気で日本人大好き!というようなタイプではないですが、食事や観光に連れて行っていただいたり、本当に良くしていただきました。単に私の受身態勢が解除できなかっただけなんです。


とにかくなにを言おうがそれはただの言い訳でしかなく、大変失礼なことをしてしまったのは確かです。後悔してもしきれません。


タロコ渓谷










これはホームステイに誘ってくれた友人から、ステイ中に言われた言葉です。

「日本からやって来て、中国語をペラペラ話せるわけじゃないことは、家族はみんなわかってる。多少間違えたって、失礼な言い回しになってしまったって、誰も怒ったり気にしたりしない。少なくともうちの家族はそうだ。それよりも、話さなければ何を考えているのかもわからないし、仲良くなりようがない。緊張してるかもしれないけど、頑張ってみて!」


認めざるを得ない本当の自分が表に出てきたとき、つらいですが、やるしかないのです。どうってことない人からすれば、なんでそんなトコでつまづいてるの?と思うことでしょう。

私はこのあと、すこしずつではありますが、自分から話せるようになってきました。それでもまだまだ、あのときこうしておけば、これを言っておけば、という後悔は残っていますが、自分の欠点にちゃんと気づき乗り越えようとしたことは、大きな収穫のひとつです。





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