台湾の世界遺産候補地「金瓜石・黄金博物園区」を歩く【錬金楼編】

金瓜石・九份・平渓・北海岸 世界遺産候補地

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台湾の世界遺産候補地、金瓜石・黄金博物園区。今日は「錬金楼編」です。ここはかつて、来客をもてなす宿泊施設でした。

のちに錬金工場に使われたことの名残から、この地一帯を博物園区とする構想が打ち出された際に「錬金楼」という名前が付けられました。一部改築したのち、現在は展示室として公開されています。






入館してまず見えてくるのが、現代アートを展示するコーナーです。よく見ると、作品の一部に金属が使われていることがわかります。それぞれどんな種類の金属が使われているのかが作品下の白いプレートに書かれていました。




次に、本物の鉱石を展示するスペースに入りました。

天然資源である鉱石は、採掘される場所によって色や質が異なります。上の写真は、金瓜石と九份で取れた鉱石、それに“愚人金”という、本物の金に成分がよく似た、いわばなんちゃってゴールドとを比較したものです。





またここでは、採掘した鉱石を錬金(薄い板状にする)する手順の説明とイラストや、当時使われていた道具なども展示されています。重さを量る天秤、金を成形する型などどれも原始的でかなりの年代ものです。




更に奥へ進んでいくと、なにやら薄暗い部屋にたどりつきました。


部屋を二分する真ん中の通路を渡り、ふと下を見ると、錬金作業が行われていた当時の様子が再現されていました。実際に使われていた小道具が並べられ、地面の感じもリアリティがあり、まるで時が止まったままのような空間です。



通路右側。奥から順に錬金作業が行われる。

通路左側。鉱石が運ばれてきた様子。

一番見ごたえがあったのはやはりこの製錬所をリアルに再現した部屋です。大人から子供まで、どんな国の人でも当時の雰囲気を体感できる素敵な空間でした。


貴重な展示物も多い錬金楼は、この地へ足を運んだら必ず寄っておきたい場所のひとつです。




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